食中毒になったパリにリベンジしたいなと
谷あきらさん著の「パリの蚤の市」を取り寄せました。

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谷あきらさんは昨年出版した「モードジュエリーメイキング」を撮影した目黒の
アンティークショップ「ボワズリー」のオーナーです。
http://www.ornedefeuilles.com/boiserie/index.html
パリと古いモノを愛する気持ちが伝わってきます。
蚤の市フリークにはたまらない夢先案内本です。

「モードジュエリメイキング」の前に出版した「ワイヤーモード」では初めて書籍でスタイリングも手がけさせていただきました。
その時に亡き父が東欧に出張するたびにお土産で買ってきてくれたテーブルクロスのことを思い出し、
母に頼んで実家から送ってもらいました。
段ボール箱いっぱいに詰まったハンドメイド刺繍のリネンクロス。
母は「もったいない」とほとんど使っていないのでタグもついたまま。
段ボールから取り出すと、父が30年前にチェコ、ハンガリー、ルーマニア、ポーランド、ユーゴスラビアで買い求めたほぼそのままの状態がよみがえりました。
今、スタイリングに活用しています。

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大人になって一人旅をするようになって、旅先で安易に「布だから軽い軽い」とシーツ等を購入すると
結構スーツケースの中でかさばるし、どっしりと重量もあるのに驚きました。
父が東欧で仕事していた時は、まだ鉄のカーテンが存在していて、東と西にヨーロッパははっきり分断されていた。
ポーランドでワレサ議長が連帯を立ち上げ、ソビエト支配の共産主義からの変革の時期。
父はワレサ議長やルーマニアのチャウシェスク政権、ユーゴスラビアのチトー大統領の葬儀などを取材してTVでレポートしていた。
テレビでは饒舌な父も家庭では寡黙で決して良き家庭人というタイプではなかった。
幼少期、土曜日は父が徹夜で仕事の日だった。
平日は帰りは遅く、日曜日は一日寝ていた父。
社宅の窓から友達がお父さんとキャッチボールをする姿を羨ましく眺めていた。
父と腕を組んだのは結婚式の時が初めてだった気がする…。
そんな父が取材の合間にどんな気持ちでクロスを選んでいたのだろうか?

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30年前に父がチェコから持ち帰った古い人形も大切にしている。
いつも必ずお土産屋さんに売ってるような民族衣装を着た人形を買ってきてくれた父。
中学生ぐらいになって自分の部屋にずらっと並んだ30体ほどのプラスティックの人形がちょっと怖くなった。
「今度から木のお人形を買ってきて」と生意気にもおねだりした私。
私の中ではくるみ割り人形のような手軽で素朴なものを想像していました。
しかし、出張から戻ってきた父に手渡されたのは、けして可愛いとは言えないこのお人形…。
「100年以上前のアンティークで本来なら博物館に入る品物だ。チェコスロバキア政府に国外持ち出し許可証を発行してもらったよ」と珍しく興奮してしゃべる父。
そして、父のあまりにも極端な行動に私はただただびっくりしていた記憶がある。

父の軌跡をたどる東欧の旅をしてみたい。
父が持ち帰ったリネンクロスの心地よいさらりとした感触、
人形の温かい木のぬくもりを感じては、亡き父へと思いを馳せる。
お土産が、シャイで多忙だった父の家族への愛情表現だったのだと…
母や私の喜ぶ顔を見たい一心で忙しい仕事の合間に選んでいたのではと…
そんな父に対して、なんでもっと素直に「ありがとう」と伝えられなかったのだろうか…。
父の想いは、残してくれたモノの中に永遠に生きている。
そして、父の代わりにいつまでも私を見守り続けてくれる…

古いモノに込められたストーリーが、私の心を揺さぶり続けるのだと思う。

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夫とは12歳年が離れているので干支が同じ「午年」。
結婚当初、「いつかアンティークの木馬が欲しいね」と話してた。
今回、パリでもロンドンでも素敵な木馬に巡り会ったのだけど…
自分のことで精一杯で、すでに荷物はパンパン、
それに…スーツケースにとても収まる大きさではなかった…。

いつの日か夫の驚く顔と笑顔を見るために…
                 木馬を担いで帰ろう~。